KINGS Educationとの取引停止のお知らせ
当社はある事情によってKings Educationとのエージェント契約を解除し、送客をストップしていますが、Kings Educationへのお問い合わせや、申込をしたいのになぜ扱っていないのかというお叱りを頂戴する機会が増えてきています。申込を希望されるお客様やその親御様には大変心苦しいのですが、ここでは当社が取引を停止するに至った経緯についてお伝えします。今回、契約解除の原因の一つのでき事に関わったお客様(以下「N様」という)の承諾を頂き掲載することになりました。
N様は、KINGS Education(以下KINGSという)のボストンキャンパスで留学をスタートさせ、2年目からはCSUFキャンパスに転校し、大学3年次に編入するための単位取得に励んでおられました。
当時KINGSはCSUFでのキャンパス運営をスタートさせたばかりで、初期の学生として参加されたN様は、学生寮の利用についてKINGSの事前説明と違うことがとても多く(例:備え付けと聞いていたものが備え付けられていなかった等)苦労されました。ここで初めて留学をスタートさせた他の学生も、KINGSからの情報と現地での実態の乖離に不安を覚え、またその際のKINGSの対応に多くが不満をこぼしていましたが、この時点ではN様は周りの学生に対して、経験のある先輩学生として「KINGSスタッフも頑張っているんだから」とKIGSを庇い、問題解決の手助けさえしていました。
ただ、CSUFキャンパスでの運営体制が確立していない中、KINGSのアカミデックカウンセラーと呼ばれるスタッフが後任への引継ぎもせず突然退職してしまうということが起きました。後任として配属されたスタッフは新人で、当然引き継がれるべき内容を理解しておらず、そのしわ寄せは全て学生にいくという状況が生まれました。このように突然スタッフが退職するということは、N様の在学中に2回ほどありました。
そのような状況の中、N様は努力を続けて来られたのですが、コロナ禍の影響をきっかけに、個人的な悩みを抱えるようになり、メンタルケアが必要な状況に陥ってしまいました。学生寮に引きこもってしまうようになったN様は、クラスの受講ができず、未提出のレポートも増えていきました。CSUFとのコミュニケーション不足があったのか、KINGSのスタッフはN様が大学でメンタルケアを受けているということを知らず、当然N様を心配することも、配慮することもありませんでした。そのような状況下、大学でメンタルケアをしてくれていたカウンセラーから、診断書の発行によって単位を落とさずに済む救済措置があることを教えてもらったN様は、それを適用してもらおうと考え、その方法についてたびたびKINGSスタッフに相談しました。しかし、いくら質問しても曖昧な返事が多く、またKINGSの日本人スタッフに相談した際には、できるだけ協力すると返事をもらっていましたが、その後連絡が途絶えてしまい、N様はどうして良いかわからなくなってしまいました。他のKINGSスタッフに連絡しても、KIGSでは個々の学生の状況についてスタッフ間での共有はされていないようで、状況を理解していないスタッフへ最初から説明しなくてはならなりませんでした。これは、メンタルケアが必要な学生にとっては大変な負担であったことは考えるまでもありません。また一から説明しても状況は変わらず、私たちもエージェントとしてN様が困っていることをKINGSへ伝え、協力要請をしていましたが、最終的には私たちへの連絡も途絶えてしまいました。
その後、N様の一部授業料の未納(行き違いによるもの)があり、請求の連絡がKINGSからありましたが、N様に必要な助けについては一切触れられませんでした。N様はその未納分あったからKINGSが対応してくれないのではないかと考え、すぐに未納分の清算をしましたが、その後KINGSからの連絡は一切ありませんでした。
N様はカリフォルニア州内の大学に編入を予定していました。上記の内容を伝え、このような状況でも編入できるのか先方(編入する大学)へ質問したところ、診断書による救済措置が取られていれば編入を認めると返事をもらいました。しかし上記のようにKINGSからの返事はなく、編入のための書類提出期限がすぎてしまったため、留学継続を断念しなくてはならないという最悪の結果を招いてしまいました。
当社では、留学中のサポートとしてN様と常日頃から連絡を取っていましたが、メンタルケアが必要な状況で学生寮に引きこもっていたことをN様から聞いたのは時間が随分経過した時点のことです。ご本人としては辛く、私たちに対しても言いにくいことであったとお察しするところでもありますが、何とかして早く気づいてあげられなかったものかとの後悔があります。またそれ以上に、N様がもっと相談しやすい環境をKINGSが提供していたら、事態はここまで悪くならなかったのではないかとも考えています。本来、KINGSでは学生の出席率が下がってきた際には、落第になる前に学生や保護者、時にエージェントに対して警告の通知が出されます。それが今回は一切通知されていませんでした。現地でスタッフが突然退職して引継ぎがされないことも見てきましたので、日本人スタッフに何度か相談しましたが、何も変わりませんでした。KINGSとしてCSUFの運営に介入できない部分が多くあったのではないかと今となっては推測しますが、できないものはできないとして、KINGSの見解をもっと早い時点で明確にされていれば何かが変わったかもしれません。結局は、できる限り協力しますとの言葉だけで、協力が得られないどころか、N様からのSOSのメールを無視した上、当社にも連絡が来なくなりました。
最後に
N様に苦しい思いをさせてしまったことは、私共でKINGSを紹介した以上、責任を感じています。今回のことを受けて、KINGSへの入学手続きを代行するにあたりN様より頂いた留学サポート料(3年分)を返金いたしました。もちろん、返金して何かが変わるわけではないことは重々理解しています。
N様は、この結果に後悔されていましたが、それでも「このような弱さが出た自分が悪い」と自己を反省され、区切りをつけ、今は強い気持ちをもって、新しい目標へ前を向いて頑張っておられます。
先日、当社オフィスに立ち寄ってくれましたが、たまたま来店中のアメリカとカナダに正規留学されるお客様に、自分が出来なかった分、こうしたほうがいいなど色々なアドバイスをしてくれました。今回の件は当社としても申し訳なく思いますが、N様の再スタートに私たちができることは是非サポートしたいと願っています。また、今回の件を反省し、今後このようなことがないように、現地との連携を強化してまいります。
上記のことを理由の一つとして、当社よりエージェント契約解除の通知(2023年6月29日)を行いました。KINGSはこの他にも、当社より送り出した学生に対し、断っているにも関わらず強引に在校生インタビューを行い、その記事をホームページに無断で掲載しようとしていて、学生より苦情が寄せられました。この件についてもKINGSへ連絡をしましたが、返事はありませんでした。
KINGSとは取引も長く、当社からKINGSを通じて有名大学へ編入した学生も出るなど実績もあったので、取引停止は残念でなりません。
しかし今回の判断は、日本人留学生にとってKINGSが安心して学習できる場であるかどうかの疑問が大きくなったためのものです。また、あえてこのホームページで公開しましたのは、他の留学生に同じような被害にあって欲しくないという思いからです。当社もN様も決してKINGSを貶める意図があるわけではないことは申し上げておきます。
上記は、N様からの情報と当社の記録に基づいています。
今後、KINGSの状況が改善されたと確信できる情報が得られましたら、この記事は削除します。ただ、削除してもKINGSへのエージェント契約は当面解除のままとし、再度契約するかどうかもわかりません。尚、これからKINGSへの申込を希望されるお客様は、当社ではなく別エージェントかKINGS日本人スタッフへお問い合わせください。必要であればメールアドレスを教えることは可能です。
投稿日時 2023年7月29日(契約解除通知から1ヵ月経過)